労作後の倦怠感と普通の倦怠感
令和5年5月に新型コロナウイルス感染症は、「5類感染症」になりました。
これに伴いコロナウイルスの報道は、縮小傾向にあります。
そのような中で、コロナウイルス感染後の後遺症が増えております。
コロナ感染前は問題なくできた行動が、感染後は強い倦怠感が生じるなどです。
日常生活の動作でも、強い倦怠感が生じるのです。
例えば、
・起床、洗顔、歯磨き
・朝の準備(食事、身支度)
・ウォーキング、ランニング
などの動作でも、強い倦怠感がでます。
通常の疲労に伴う倦怠感ではなく、明らかに違う強い倦怠感を感じる。
これをコロナ後遺症の労作後倦怠感と呼びます。
軽度の倦怠感であれば、多くは一週間程度で治ります。
倦怠感が長引く人はご注意ください。
症状が長引くと ME/CFS (筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)に移行しやすいです。
ME/CFS になると、日常生活を送ることが大変困難になります。
これを未然に防ぐことが重要となります。
労作後倦怠感の悪化要因とは
海外の報告ではコロナ後遺症は、200種類ほどあります。
倦怠感はコロナ後遺症のうち、8割近くが感じています。
軽い倦怠感が長引くことで、日常生活に支障がある倦怠感に移行することが多いです。
倦怠感の悪化要因で多いのは、精神的ストレスです。
・コロナウイルスに対する不安やストレスが大きい
・睡眠障害がある
・不安障害がある
・適応障害がある
・自律神経の乱れがある
などの人は、コロナ後遺症が悪化しやすい傾向です。
20~30代の若い年代での悪化もみられます。
この年代の方は比較的体力があるので、休養を十分に取らずに社会復帰していたようです。
コロナ後遺症は、コロナウイルス感染時の症状が軽症でもみられます。
コロナウイルス感染後は、十分に休養を心がけてください。
自律神経に深刻なダメージ
コロナ後遺症のデータも増えています。
コロナウイルス感染後の不調を、大阪の5つの病院で調査した結果、1年経過しても倦怠感が56%に残っています。
就業者の66%に、仕事に支障があると答えています。
当院でも仕事復帰、学業復帰が出来ていない方の相談が増えています。
コロナ後遺症になると、自律神経に長く負担をかけているようです。
コロナウイルス感染症の発生以前の自律神経の乱れより、重篤な状態になりやすいです。
仕事が出来ているから、学校に行けているから大丈夫ではありません。
軽症だと思っていたのに、重症化することも多いです。
コロナウイルス感染後は、身体の変化に十分にご注意ください。
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