アトピー性皮膚炎を東洋医学では
東洋医学では、アトピーを単なる「皮膚の病気」とは考えません。
皮膚は身体の内側の状態を映し出す鏡であり、次のような体質的な偏りが背景にあると考えます。
気の不足(気虚)
- 疲れやすい
- 胃腸が弱い
- 皮膚を守る力が弱い
気が不足すると、皮膚のバリア機能が低下し、外からの刺激に敏感になります。
血の不足(血虚)
- 乾燥肌
- かゆみが強い
- 皮膚の再生力が弱い
血が不足すると、皮膚に十分な栄養が届かず、乾燥や炎症が悪化しやすくなります。
熱のこもり(湿熱・血熱)
- 赤み
- ジュクジュク
- 強いかゆみ
体内に余分な熱や湿気がこもると、炎症が長引きやすくなります。
巡りの悪さ(瘀血)
- ゴワつき
- 色素沈着
- 冷えと熱が混在
血の巡りが悪いと、炎症が治りにくく、肌の回復も遅れます。
アトピーはこれら複数の要因が重なって起こるため、体質に合わせたケアが必要になります。
アトピー性皮膚炎が再発しやすい理由
アトピーは「良くなったり悪くなったり」を繰り返しやすい疾患です。
その理由は、皮膚だけでなく 体質・環境・ストレス・生活習慣 が複雑に関わるためです。
① 皮膚バリアが弱い
アトピーの方は生まれつき、または後天的に皮膚のバリア機能が弱い傾向があります。
- 乾燥しやすい
- 刺激に敏感
- アレルゲンが侵入しやすい
炎症が落ち着いても、バリアが完全に回復していないと再発しやすくなります。
② 免疫バランスが揺れやすい
免疫が敏感な状態が続いているため、少しの刺激でも炎症が再燃します。
- 季節の変わり目
- 花粉
- 食事の乱れ
- 疲労や風邪
こうした小さな変化が引き金になります。
③ ストレスで自律神経が乱れる
ストレスはアトピー悪化の大きな要因です。
- かゆみが増える
- 眠れない
- 掻く → 皮膚が傷つく → さらに悪化
この悪循環が続くと、慢性化しやすくなります。
④ 体質の偏りが残りやすい(東洋医学の視点)
気虚・血虚・湿熱・瘀血などの体質は、症状が一時的に良くなっても 根本から整えない限り残り続ける ため、再発しやすい状態が続きます。
⑤ 生活習慣の影響を受けやすい
アトピーは日常の小さな変化に敏感です。
- 睡眠不足
- 冷え
- スマホ・PCの使いすぎ
- 腸内環境の乱れ
これらが積み重なることで、症状がぶり返しやすくなります。
鍼灸がアトピーに向いている理由
鍼灸は、身体のバランスを整えることを得意とする東洋医学の治療法です。
① 自律神経を整え、かゆみの悪循環を断つ
副交感神経が高まり、リラックス状態へ。
ストレスによる悪化を防ぎ、睡眠の質も向上します。
② 血流改善で皮膚の再生をサポート
血流が良くなることで、皮膚の修復に必要な栄養が届きやすくなります。
③ 免疫バランスの調整
過剰な反応を落ち着かせ、弱い部分を補うことで、炎症の波を小さくします。
④ 体質そのものにアプローチ
胃腸の弱さ、冷え、ストレスなど、アトピーを悪化させる背景に対しても施術できます。
鍼灸治療の流れ(例)
- 問診:体質・生活習慣・ストレス・食事・睡眠を丁寧に確認
- 全身調整:自律神経・免疫バランスを整える鍼
- 局所治療:炎症部位の周囲に軽い刺激
- お灸:冷えや巡りの悪さを改善
- 生活アドバイス:食事・入浴・睡眠・ストレスケア
アトピーは「皮膚だけの問題」ではないため、全身を整える鍼灸は非常に理にかなったアプローチです。
アトピー改善のための食事のポイント
アトピーは「皮膚の炎症」だけでなく、体質の偏りや腸内環境の乱れが深く関わっています。 食事を整えることは、体質改善を進めるうえでとても大切です。
1. 腸を整える食事を意識する
腸は免疫の約7割を担うため、腸内環境が乱れるとアトピー症状も揺らぎやすくなります。
- 発酵食品(味噌、納豆、ヨーグルト)
- 食物繊維(野菜、海藻、きのこ)
- 良質な油(オリーブオイル、えごま油)
を意識して取り入れると、腸の働きが整いやすくなります。
2. 体を冷やす食べ物を控える
冷たい飲み物・甘いもの・小麦製品は、東洋医学では「湿」をためやすく、 かゆみ・ジュクジュク・赤みを悪化させることがあります。
- 冷たい飲み物 → 常温・白湯へ
- 甘いお菓子 → 果物やナッツへ
- 小麦中心 → お米中心へ
小さな置き換えでも、肌の揺らぎが落ち着きやすくなります。
3. 炎症を助長しやすい食品を控えめに
- 揚げ物
- スナック菓子
- 加工食品
- アルコール
これらは体内の「熱」を強め、かゆみを悪化させることがあります。 完全にやめる必要はありませんが、頻度を減らすだけでも肌の負担が軽くなります。
アトピー改善のための生活習慣のポイント
アトピーは、自律神経の乱れ・ストレス・睡眠の質に大きく影響されます。 日常の過ごし方を少し整えるだけで、症状が安定しやすくなります。
1. 深い呼吸で自律神経を整える
かゆみが強いときは、呼吸が浅くなり交感神経が優位になります。 1日数回、ゆっくり息を吐く時間をつくるだけで、かゆみの悪循環が和らぎます。
2. 皮膚をこすらない生活を意識する
- タオルでゴシゴシ拭かない
- かゆい部分を叩かない
- 服のタグや化学繊維を避ける
「こすらない」だけで炎症の広がりが大きく変わります。
3. ぬるめの入浴で皮膚の負担を減らす
熱いお湯は皮脂を奪い、かゆみを強めます。 38〜40℃のぬるめのお湯にゆっくり浸かると、 自律神経が整い、睡眠の質も上がります。
4. スマホ時間を減らして睡眠の質を上げる
寝る前のスマホは交感神経を刺激し、かゆみが強まりやすくなります。 就寝1時間前は、できるだけ画面を見ない時間をつくるのがおすすめです。
5. ストレスをためない工夫をする
アトピーの方は、真面目で頑張りすぎる傾向があり、 その気質が自律神経の乱れにつながることがあります。
- 完璧を求めすぎない
- 休むことを「悪いこと」と思わない
- 小さな楽しみを毎日に入れる
心の余裕ができると、肌の揺らぎも落ち着きやすくなります。
まとめ
アトピー性皮膚炎は、皮膚の炎症だけでなく、体質・ストレス・生活習慣など多くの要因が関わる複雑な疾患です。
東洋医学では、身体全体のバランスを整えることで、再発しにくい状態へ導くことを目指します。
- 自律神経を整える
- 血流を改善する
- 免疫バランスを調える
- 心身の緊張をゆるめる
- 体質そのものを整える
つらい症状でお悩みの方は、一人で抱え込まず、専門家に相談してみてください。
東洋医学は、あなたの身体が本来持つ力を引き出し、健やかな肌へと導く心強い味方になります。
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▶︎ アトピー・皮膚炎の原因と改善まとめページ
アトピー性皮膚炎は、体質・冷え・自律神経の乱れが重なると悪化しやすくなります。
症状の背景と整え方をまとめています。
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