飲酒の悪影響とは
――寝酒・不眠・自律神経の乱れが起こす深刻な問題**
「お酒を飲むと眠くなる」 これは多くの人が経験する感覚で、事実としても正しい反応です。
しかし、眠くなるという“良い作用”はごく短期間しか続きません。 むしろ、アルコールは睡眠の質を大きく低下させ、長期的には 不眠・自律神経の乱れ・依存症 へとつながります。
今回は、飲酒が身体と心に与える悪影響を、医学的・自律神経の視点から詳しく解説します。
アルコールの作用は「眠気」と「途中覚醒」
アルコールが睡眠に与える主な作用は次の2つです。
- 眠気が出てくる(入眠が早くなる)
- 途中覚醒しやすくなる(睡眠が浅くなる)
一見すると「眠気が出るなら良いのでは?」と思われがちですが、問題はここからです。
眠気の作用はすぐに耐性がつく
アルコールの眠気は、脳の興奮を抑える“鎮静作用”によるものです。 しかし、この作用には 1週間ほどで耐性がつきます。
- 同じ量では眠くならない
- 眠気を得るために飲酒量が増える
- さらに耐性がつく
この悪循環が始まります。
つまり、眠気というプラスの作用はすぐに消えるのです。
途中覚醒が起きる理由
アルコールを飲むと、次の理由で途中覚醒が増えます。
- 利尿作用でトイレが近くなる
- 睡眠が浅くなる(深い睡眠が減る)
- アルコール分解後に脳が興奮する
アルコールは分解されると、脳の抑制が解除され、逆に興奮状態になります。 そのため、夜中に目が覚めたり、早朝に覚醒してしまうのです。
そしてこの マイナスの作用は、飲酒を続ける限りずっと続きます。
アルコールで睡眠は改善しない
「寝つきを良くするために飲む」 「寝酒をしないと眠れない」
こうした相談は非常に多いですが、医学的には 寝酒は不眠を悪化させる行為 です。
鎮静作用は一時的、分解後は脳が興奮する
アルコールは脳の興奮を抑え、リラックスさせます。 しかし、分解されると抑制が外れ、脳が逆に興奮します。
- 寝つきは良い
- しかし途中で覚醒する
- 朝方に眠れなくなる
これが寝酒の典型的なパターンです。
飲酒の翌日に身体がきつい理由
飲酒の翌日にだるさや頭の重さを感じるのは、
- 身体が回復できていない
- アセトアルデヒドという有害物質が残る
この2つが大きく関係します。
本来、睡眠中は身体の修復が行われます。 しかし、アルコールが入ると肝臓は解毒を優先し、身体の修復は後回しになります。
つまり、寝ているのに回復していない状態になるのです。
アルコールの分解には時間がかかる
成人男性の場合、 ビール500mlの分解には 約4時間 かかります。
- アルコール度数
- 飲酒量
- 年齢
- 体格
- 肝機能
これらによって分解時間はさらに延びます。
つまり、寝る前に飲んだアルコールは、睡眠中ずっと身体に残り続けます。
少量でも睡眠に影響する
「缶ビール1本くらいなら大丈夫」 「少しだけなら問題ない」
こう思われがちですが、研究では 少量でも睡眠の質が低下する ことが分かっています。
- 深い睡眠が減る
- 途中覚醒が増える
- 睡眠の回復力が落ちる
寝酒は、量に関係なく睡眠を悪化させます。
寝るために飲むのは依存症のサイン
次のような状態は、アルコール依存性睡眠障害 の可能性があります。
- 寝酒しないと眠れない
- 飲まないと眠気がこない
- 朝起きると不安感がある
これは、アルコールが切れた時に脳が興奮し、不安や焦燥感が出るためです。
離脱症状が出ると自力でやめるのは難しい
長期間飲酒を続けると、 アルコールが抜けた時に次のような離脱症状が出ます。
- 手のふるえ
- イライラ
- 発汗
- 不安感
- 動悸
離脱症状が出ると、自分の意思だけで飲酒を控えるのは困難になります。
睡眠時無呼吸症候群も悪化する
アルコールは筋肉を緩める作用があります。 そのため、睡眠時無呼吸症候群の人は症状が悪化しやすくなります。
- いびきが強くなる
- 無呼吸が増える
- 酸素不足で脳が疲れる
これも翌日の倦怠感や集中力低下につながります。
飲酒は自律神経にも悪影響を与える
アルコールは自律神経のバランスを大きく乱します。
- 交感神経が過剰に働く
- 副交感神経が働きにくくなる
- 不安感が増える
- 心拍が上がる
- 眠りが浅くなる
特に、ストレスや不安を抱えている人は、アルコールの影響を受けやすい傾向があります。
不眠は万病のもと
睡眠は、身体と心の回復に欠かせません。
- 自律神経の調整
- 免疫の回復
- 脳の整理
- ホルモンバランスの調整
これらはすべて睡眠中に行われます。
アルコールで睡眠が乱れると、 身体も心も回復できない状態が続きます。
まとめ:寝酒は「眠れるようで眠れていない」
アルコールは眠気を起こしますが、それは一時的です。 耐性がつき、量が増え、睡眠はどんどん悪化します。
- 寝酒は不眠を悪化させる
- 睡眠の質は確実に低下する
- 依存症のリスクが高まる
- 身体の修復ができなくなる
「寝るために飲む」は、健康にとって大きな危険信号です。
もし寝酒が習慣になっている方は、 身体からのSOSを見逃さないようにしてください。
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