【起立性調節障害と気力低下】やる気が出ないのは心の問題ではありません
起立性調節障害(OD)の方がよく口にする悩みがあります。
「やる気が出ない」 「何もしたくない」 「頭が働かない」
周囲からは 「怠けているだけ」 「気持ちの問題」 と誤解されやすいですが、これは 本人の性格や気力の問題ではありません。
起立性調節障害では、 自律神経の乱れによって“気力そのものが出せない状態” になっているのです。
ここでは、 なぜ起立性調節障害で気力が低下するのかを、 医学的にわかりやすく解説します。
なぜ起立性調節障害で気力が低下するのか?
起立性調節障害の本質は、 血圧調整と自律神経の働きがうまくいかないこと。
この乱れが、気力の低下につながります。
① 脳への血流が不足しているから
起立性調節障害では、立ち上がったときに血圧が保てず、 脳に十分な血液が届きにくい状態 になります。
脳への血流が不足すると…
- 思考力が落ちる
- 集中できない
- やる気が出ない
- ぼーっとする
- 何をするにも疲れる
これは“怠け”ではなく、 脳がエネルギー不足で働けていない状態 です。
② 自律神経の乱れで「やる気ホルモン」が働かない
自律神経は、体だけでなく心の働きにも深く関わっています。
自律神経が乱れると、
- やる気を出すホルモン
- 気分を安定させるホルモン
がうまく働かなくなります。
その結果、
- 気力が湧かない
- 気分が落ち込みやすい
- 何をするにも億劫
- 楽しいことでも楽しめない
という状態になりやすいのです。
これは 心の弱さではなく、生理的な反応 です。
③ 朝に特に気力が出ない理由
起立性調節障害の特徴として、
午前中は最も調子が悪く、午後から元気になる
という傾向があります。
これは、
- 朝は血圧が低い
- 自律神経が切り替わりにくい
- 体が活動モードに入れない
という理由が重なっているため。
朝に気力が出ないのは、 体がまだ“起動”できていないだけ です。
④ 体が疲れ切っているから
起立性調節障害の人は、 普通の生活をするだけで自律神経がフル稼働しています。
- 立つだけで疲れる
- 朝起きるだけで消耗する
- 通学・通勤で限界になる
そのため、 気力を出す余力が残っていない のです。
これは「頑張りが足りない」のではなく、 体が限界まで頑張っている証拠 です。
気力が低下しているときにやってはいけないこと
- 無理に気合いで動こうとする
- 「怠けている」と自分を責める
- 朝から予定を詰め込む
- 休むことに罪悪感を持つ
これらは症状を悪化させます。
起立性調節障害は、 休むことが治療の一部 です。
気力を取り戻すために大切なこと
起立性調節障害の改善には、 “自律神経が整いやすい環境づくり” が欠かせません。
- 睡眠リズムを整える
- 朝の負担を減らす
- ストレスをためない
- 楽しい時間をつくる
- 無理をしない
- 体を温める
- 深い呼吸を意識する
気力は「出すもの」ではなく、 整った体から自然に湧いてくるもの です。
まとめ:気力が出ないのは“あなたのせいではない”
起立性調節障害で気力が低下するのは、
- 脳への血流不足
- 自律神経の乱れ
- ホルモンバランスの乱れ
- 身体の疲労
といった 体の問題 です。
決して、
- 甘え
- 怠け
- 気持ちの弱さ
ではありません。
まずは自分を責めず、 体が整いやすい環境をつくることが改善の第一歩です。
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